一般社団法人柏崎青年会議所2024年度 理事長所信

柏崎JC2024年度理事長

一般社団法人柏崎青年会議所

第68代 理事長

海津 勇太

Yuta Kaizu

2024年度スローガン

柏崎JC2023年度スローガンロゴ

はじめに

我々、一般社団法人柏崎青年会議所は、「仲間と自己研鑽を積みながら、地域のために活動する団体」です。 多くの先輩たちが作り上げ、培ってきた信用・信頼を守り、高め、多くの仲間と切磋琢磨しながら地域のために活動する団体であり続けなければいけません。

近年、当会議所の会員数は著しく減少しております。私の入会した2017年には多少の増減はあったものの正会員数は 80名を超えておりました。それが2024度はスタート時点で35名であり、わずか7年の間で半減しております。この状況が続いていくと、地域のため に活動する団体であり続けることが難しくなってくると感じています。非常に不安です。危機感を持っています。

スローガンに掲げた、この「危機感」というものは必ずしも悪いものではないと考えます。現状に危機感を持つことにより、当事者意識が強くなって、逃げずに課題解決に向けて立ち向かい、何が必要なのかを考察し行動に移すようになります。 個人の成長にも、企業・団体の成長にも危機感を持つことは必要なものであると考えています。

先述した通り、我々は「地域のために活動する団体」であり続けます。地域に必要とされる団体であり続けます。柏崎刈羽にとって意義と意味のある事業を展開するために、会員数を増やし、減らさないための仕組みを検討します。限られたリソースを無駄にせず最大限の力を発揮して、インパクトのある事業を展開するための仕組みを検討します。

何とかなるだろう、誰かがやってくれるだろう。そんな期待はできません。何ともなりません。誰もやってくれません。我々が危機感をもって行動しなければ...

エネルギーのまちに生きる誇りと責任

柏崎とエネルギーの関係には古い歴史があります。かつて、石油産業のまちとして発展した柏崎で生き抜いてきた先輩方が、地域の発展とエネルギー政策への貢献のために、1971年に原子力発電所の建設推進決議をおこないました。まだまだ日本では原子力発電が動き出して間もないころに、この決議をおこなった先輩方の決断力、行動力には尊敬の想いしかありません。では今の時代を生きる我々がやるべきこととは何か。

まずは、この日本とエネルギーの、柏崎刈羽とエネルギーの歴史を学ぶことが必要です。それぞれの時代の情勢と対策、それに伴う日本の社会の変化を学び直すことで、それぞれの時代に何が求められていたのかがわかってきます。柏崎刈羽の先進的な挑戦によって、いかにエネルギー政策に貢献してきたのかを知ることによって、このまちで生きることに誇りを持てます。

しかし、それだけでは足りません。我々にはこの歴史を伝え、今後もエネルギー政策に貢献していくために挑戦をしていく責任があります。原子力発電所の再稼働について、今後も丁寧な対話を続け、真摯に向き合い、正しいことを正確に伝えていく責任があります。そのうえで、水素エネルギーなど二酸化炭素の排出を抑えるクリーンエネルギーの可能性も模索し、エネルギーのまちの青年経済人として積極的に取り組む1年とします。

魅力が伝わり、住みたいまち・訪れたいまちへ...

私は、刈羽村で幼少期を過ごしました。幼いときは朝から晩まで外で遊び、近所のお兄ちゃんたちとカブトムシを捕まえ、小学校からは野球に明け暮れ、多少恋をしながら過ごしました。15歳からは進学のため柏崎刈羽を離れ、30歳で戻ってきました。戻ってきてからは、仕事の合間に山菜を採り、海で釣った魚を頂き、子供と一緒に公園で遊び、知り合いのやっている居酒屋で舌鼓を打っています。多少楽しみ方は違えど、自然の恩恵を受け、人の温かさに癒されながら、このまちに生きています。

このまちは魅力にあふれています。雄大な越後三山や、四季折々の姿を見せ、命を育む日本海。その自然の恵みである海の幸、山の幸や、肥沃な越後平野で育てられた米、野菜、果物。
当たり前にありすぎて忘れがちですが、柏崎刈羽が誇れるものはたくさんあります。それらを柏崎刈羽の人たちに、また、市外村外の方たちに伝えていく、いや、伝わっていくことも非常に重要です。

このまちに住みたい、訪れたいと思ってもらうためには、現在住んでいる人が幸せであること、幸せに向かっていることが必要です。使い古された言葉かもしれませんが、夢を持つこと、夢を語り合うことが重要です。たとえそれが現時点で、非現実的なことであったとしても、そこから着想を得て、先に進んでいくことは多いにあります。ここがダメなのだ、あれが悪いのだというネガティブな思考から、こうなって欲しい、こういう風にしたいという ポジティブな夢を持った思考に変われば、できることは増えていくはずです。夢を持ち幸せに向かっていけば、住む人の満足度が上がっていき、幸せや魅力はどんどん周りに伝わっていきます。

子供の自立と、親の自律

子供を育てるということは非常に大変なことだと思います。育てるという言葉には様々なとらえ方があると思いますが、私は、自分で生きていくことができるようにすることが子供を育てる最終目的だと考えています。そのために身につけなくてはいけないことは多くあると思いますが、ここでは重要なことを3つ挙げたいと思います。

まずは、自分で考えて行動すること。言われたことだけやっている指示待ち状態では主体的に動くことができず、課題や問題にぶつかったときになかなか克服することができません。

次に、仲間を作り協力すること。当たり前のことですが、一人ですべてのことができるわけではありません。一人ではどうしようもない、でも乗り越えなければいけない時には仲間と協力することが必要不可欠です。

そして、勇気をもって挑戦をすることです。未知のことに挑戦することは大人でも躊躇しがちなものですが、子供の時に勇気をもって挑戦することが大切です。時には失敗することもありますが、それを経験に変えて前に進むことが必要です。

これらの能力を手に入れる手段は多くあると思いますが、スポーツも非常に効果的な手段のひとつです。様々なルールの中で、多くの人と関わり合い、うまくいかないことがあっても仲間と協力しながら克服していく。そして、仲間や相手に感謝し、称え合って、また共に成長していく。心と体が鍛えられるスポーツには子供を成長させるエネルギーが詰まっていると思います。

そして、子供の自立に関してキーポイントとなるのは、親の自律です。
親が感情をコントロールし、過度な干渉をせずに挑戦を見守ってあげられるかにかかっています。その時に、サポートをするのが地域の人々、団体です。親ではどうしても甘えてしまうところや手の届かないところを、地域ぐるみで支える。親が自律し、子供がたくましく自立していく地域を目指します。

地域を牽引する若手経済人を目指す

地域を盛り上げるために、幸せな生活を送るために、まずは稼がなければいけません。 我々は各企業の代表または中核を担う者の集団です。自分の行動や、選択一つで自らの家族 だけではなく、社員の人生、社員の家族の人生を大きく変えてしまう可能性をもっています。だからこそ、我々は経営や経済に対して常にアンテナを張り、情報を集め、知識・経験を高める必要があります。

青年会議所は異業種・多業種の会員が在籍する団体です。様々な分野で日々努力をしている仲間たちと情報交換することで新たな成長のきっかけや、思いがけないビジネスチャンスが得られるかもしれません。各企業で一つ一つ積み重ねてきたもの同士が掛け合わさることで新たなチャンスや大きな成果が生まれる可能性があります。

猛烈な速度で変化していく社会に対応、適応していく力が個人にも企業にも求められています。その中で、変化させていかなければいけない部分と変えてはいけない部分を見極めながら、戦略を練り、バランスをとって組織をマネジメントしていき、強く必要とされる企業を作り上げていくことのできるような、リーダーとしての資質を高めます。

柏崎青年会議所の再強化

私が入会した2017年に比べ正会員の数が半減しました。柏崎青年会議所は誕生から現在まで地域のために多くの活動、運動をしてきました。当然これからも地域に貢献していきたいと思っておりますが、残念ながらこのまま会員が減っていくとやりたいこと、求められていることがなかなか実現できなくなっていくのではないかと危惧しております。

今までの拡大運動は良くも悪くも、担当のパワーによるところが大きく、爆発的に拡大できる年度もあれば、なかなか奮わない年度もありました。安定して新入会員を増やしていくためには、仕組みを作ることと、会員各自が高い意識と責任をもって拡大運動を行うことが必要であると思います。この過渡期に変化を求めなければ生き残っていけないと思っています。そこで、今年度は拡大戦略委員会を設置します。会員拡大を組織的に行っていく必要があると考え、システムや制度ももう一度見直して、会員拡大に効果的なものを探っていきます。それに併せて、限られたリソースの最適な配分を検討し、インパクトのある事業を展開していきます。

結びに

私は60周年の年に入会しました。その後、記念事業委員会に配属となり先輩方の想いのこもった事業と、それを実現するまでの汗と涙を間近で見させてもらいました。そしてその奥に、今まで柏崎青年会議所の先輩方が築き上げてこられた歴史と伝統、そして柏崎刈羽への想いがあります。私は、この想いを継承し、高め、後輩たちがより大きなものにするため のチャレンジをしやすいように託したい。

明日、柏崎青年会議所がなくなるかと言ったら、ほぼ100%ありえないことでしょう。しかし、10年後はどうでしょうか。いつの時代も我々に求められることは「今の時代に合ったこと」をすることではなく「次代のためにすべきこと」をやることだと思っています。未来の明るく豊かな柏崎刈羽のために、責任を自覚し情熱をもって行動する後輩たちのために、危機感をもって邁進してまいります。