一般社団法人柏崎青年会議所2020年度 理事長所信

一般社団法人柏崎青年会議所
第64代 理事長

長澤  博

Hiroshi Nagasawa

2020年度スローガン

Mission

柏崎刈羽地域を学び、育てる。そして、誇りに思う心を育成する

Vision

適切で適度な危機意識を持ち、自己向上と社会変革に挑む
常にチャレンジできる環境を作り上げるため、寛容と他者愛を育む
前向きなマインドを養い、最新技術を積極的に取り入れる

Value

寛容、行動、責任

はじめに

 私は、柏崎に生まれ育った。ひととき柏崎を離れたものの、再び戻ってきた。今後は、生涯この柏崎で過ごすであろう。私たちが活動する柏崎刈羽地域は、海と山に囲まれて四季折々である。春は、桜を眺め地酒を飲み大地を耕し心を養う。夏は、海で泳ぎ山に登り花火を見て涼をとる。秋は、収穫を喜び食を楽しみ冬に備える。冬は、雪と雨に堪え忍び、力を蓄える。そして、再び春の喜びを味わう。

 近年のこの地域は、二つの最高学府を抱え、石油発祥の地としてエネルギー資源によって産業が育成し、日本経済にも多大な貢献をしてきた。そして、自然と食と歴史と産業と学問が揃っている世界的にみても有数の素晴らしい地域である。

 一方で、直近にはエネルギーのまちとしてのアイデンティティの喪失があり、想定を超える人口の流出などの問題を抱え、地域民としての誇りを見失うことがあるのも事実である。私は、この地域に住む者として、地域を誇りに思う心を力強く大きくしたい。

地域と共に歩むエネルギーの誇り

 柏崎刈羽地域及び、柏崎青年会議所のアイデンティティは、エネルギーである。日本の電力エネルギー源が、石油から原子力に転換が始まった頃、柏崎青年会議所が原子力発電所の建設推進決議を行い、そして、それももうすぐ50年を経とうとしている。柏崎青年会議所は、推進決議以来、それぞれの時代で起こった問題に対応して真剣にエネルギーを学び考え続けてきた団体であり、エネルギー問題の意識が高い誇りある団体である。

 日本の主力エネルギー源の一つであり、私たちの地域にも立地する原子力発電は、2011年の東日本大震災の発生により転換期となった。震災により、日本の管理体制の欠陥があらわになり、大勢の人の心に大きな傷を負わせた。にもかかわらずこの国は、「想定できなかった」という名分により責任の所在をあいまいにして、誰も政治的、あるいは行政的に責任を負わないまま先に進もうとしている。一方で、代替として使用量が増えた石油・石炭などの化石燃料は、使用と共に環境を破壊する。地球温暖化問題は待ったなしである。環境に貢献すると言われる再生可能エネルギーも私たちの地域の環境特性によって、まだまだ開発が必要な技術である。今、私たちを取り巻くエネルギー問題は、過去に例がないほど複雑になっている。

 私たちの地域は、エネルギーに真剣に取り組む傾向がある。単独では難しいことも、連携することで創造が生まれ新しい世界が生まれるかもしれない。幸いにも私たちの団体は、多種多様な業種が連携した団体でもある。すべてが連携することで、未来に向けて新しい一歩を歩むことができるかもしれない。あらゆる可能性のために、学び、行動しなければならない。

持続可能な社会を目指して

 世界の社会は、十分とは言えないものの改善に向かっている。絶対的な貧困は減少し、教育を受ける年数は向上し、平等は進んでいる。更なる進歩のため2015年9月に国連サミットでSDGsは採択された。そして、日本青年会議所は、2019年に「日本で一番のSDGsを推進する団体」として宣言した。世界の目標となるこのSDGsを学び理解することは、私たちの活動に貢献することに間違いない。組織全体としてよく学び推進しよう。

こどもたちに、郷土の誇りを伝える事

 こどもは大人を見て育つ。こどもは親と地域の度量を映し出す鏡である。この地域の雰囲気、人柄、特性は何だろうか?人の特性は、50%は生まれ持ったものによって決まり、残りの50%は、生まれ育った環境によって決まるそうだ。こどもたちは、私たちがこの地域を誇らしく語れば地域を誇りに思い、一方、地域を批判すれば地域を批判に思う。

 こどもたちは、いずれ年を重ねれば、他の地域を魅力に思い、それをもとめてこの地域を離れるかもしれない。しかし誰しもが故郷は忘れる事が出来ない場所である。故郷の価値に気づき誇りを思うか批判に思うか、その心を作り出すのは、すべて私たち大人たちの責任である。そして、その心は、孫の代まで続いていく。新潟県出身でない学生が柏崎市にIターンをする場合、親または祖父母が新潟にゆかりがある場合が多い。こどもたちに地域の誇りを伝えられることこそが、遠く未来までこの地域の価値を高めることであると私は確信している。

 それには、私たち大人がこの地域を誇りに思う事。そして前向きな想いを伝える力を養う事。さらに実践すること。そのすべてが重要であると確信する。この地域には、多くの自然や歴史、文化がある。もしかすると、埋もれた素晴らしい文化もあるかもしれない。これらを活用し復興し、郷土の誇りを高めよう。こどもや大人に、地域を誇りに思う心を育てよう。地域住民に地域の誇りを心に深く刻むことは、近く遠い未来に幅広く貢献できるものである。

魅力ある組織は、人を集め未来を創造する

 私たちの地域を取り巻く経営環境は、少子化、人口減少、労働力不足など、多くの課題を抱えている。今日、働き方改革が叫ばれているが、日本の労働環境は、世界の統計値に比較して労働生産性や仕事満足度が低いそうだ。 

 私たち柏崎青年会議所は、会員の多くに経営者や幹部、幹部候補生がいる。つまり、これらの問題に向き合い、解決できる力を持っている。私は、私たちが誇りを持てる組織を作り上げることこそが、魅力ある人材を集め、さらなる誇りある組織を作り上げることができると確信している。組織力と人材の相互の成長による好循環こそが、魅力があり持続可能な誇りのある組織づくりに必要である。そのために必要な知識と知恵を学ばなければならない。

 私たち柏崎青年会議所は、制限なく多種多様な業界から参加できる。お互いに知識を共有し、お互いに連携できるチャンスがあれば、それを活用しない手はない。仲間同士で連携をとることも一つの成長の機会になるかもしれない。魅力ある企業が多く集積する地になれば、間違いなく持続可能な地域となる。この地域の企業が、ともに成長するために、出来る事を始めよう。

多様性と寛容、確かな心の繋がり

 組織運営には、役割と責任が必要である。青年会議所という組織は、1年おきに役割を交代する特殊な組織である。役割は役割であって、責任あるものを尊重することは必要であるが、立場におごる事なく誠実に寛容な心で誇りをもって組織運営をしていきたい。

 私たちは、修練・奉仕・友情の三信条を大切にし、お互いを尊重し、全メンバーが活躍できることこそ、柏崎青年会議所の発展につながる。そのためには、多様性を学び、寛容さを身に着け、心の繋がりを作ることが大切である。強い繋がりを持った仲間ならば、どんな難関にも挑むことができ、その結果が成功であり失敗であっても、誇りを持つことができるだろう。

 そして仲間を増やす活動、拡大こそ、私たちの日々の運動が試されるときである。私たちの仲間を増やすことで、私たちの行動は、さらに大きな広がりを持ち、理念の実現につなげることができる。拡大のための技術は、私たちの仲間の中に多く存在する。その技術の活用をしながら、私たちの魅力と意義を発信し、私たちの組織を未来につなげて大きくしていこう。そして未来の青年会議所活動を盛り上げて行こう。私たちの組織を未来につなげるのは、私たちである。

今をありのままに伝える

 青年会議所運動が生み出してきた成果は、それが明確であれ曖昧であれ、地域に深く根付き、地域に活力を与えてきたことは間違いない。そしてこれからも多く生み出していくだろう。これらの素晴らしい運動は、地域に知れ渡る事で、行動した者やそれを支えた者、参加した者の誇りに変える事が出来る。そして、JC内外に協力者が増えることにつながり、次の活動の効果をより高める事ができる。

 過去の実績や今年5委員会の事業を、地域に広めよう。そのためにも、私たちは、広告宣伝の力、発信力を高める必要がある。発信力を学び活用しよう。それが、私たち青年会議所のすべての活動に力を与えてくれるだろう。さらに言えば、その力を私たちの職場に持ち帰ることによって、JC活動だけでなく地域全体の発信力につなげる事ができる。全ての好循環の力強い支援となるだろう。

結びに

 世界に広がる青年会議所の仕組みを受け継ぎ、今、その枠組みを活用し活動できる事は、私たちの成長につながり、そして私たちの誇りである。諸先輩方が作り上げてきたこの組織、そのときの判断、そのときの行動を見習って実践していきたい。The Creed of JCI、JCI mission、JCI Vision 、JC宣言 、綱領。このすべてが、私たちが判断する際に重要であることを強く意識したい。

 私の座右の銘は「本当に大切なことを、本当に大切にすること」である。今ここにある私のすべては、大切なことに支えられてきた。青年会議所活動にとって、理念は、とてもとても大切なことである。会員一人一人が、青年会議所の理念を実践していくために、私たちの理念を大切にして全力で挑みたい。私は、一般社団法人柏崎青年会議所を強く誇りに思う。